サザビーズがアジアの新たなフラッグシップ拠点「サザビーズ・メゾン」を香港にオープン【アートニュース】
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世界最古の国際オークション会社として知られるサザビーズが、アジアにおける新たなフラッグシップ拠点となる「サザビーズ・メゾン」を香港にオープンしました。
7月27日にお目見えしたその拠点は、高級ブランドや世界的なギャラリーが立ち並ぶエリアに位置し、月間130万人以上の人々が訪れる「LANDMARK CHATER」(ランドマークチャーター)という複合施設内にあります。

2フロアにわたる広々としたスペースには、数百点に及ぶ多様なカテゴリーのアートや高級なコレクションが販売され、その中には奈良美智の最も評価の高い作品の一つである《Agent Orange (In the Milky Lake)》をはじめ、塩田千春《State of being (Skull)》や平子雄一の《Tree Ring》など、日本人アーティストの作品も含め、数百点にわたるファインアー ト作品やオブジェの販売が展開されます。作品の価格帯は5,000〜5,000万香港ドル(日本円で約1万円〜10億円※)に及びます。
オープンを記念して、メゾンの1階ではドイツのビジュアルアーティストであるゲルハルト・リヒターの《Eisberg(Iceberg・氷山)》(1982年)と中国の宋代の希少な汝窯(じょよう)陶磁器をユニークな視点から取り上げた「ICE: Two Masterworks on Loan from the Long Museum」展と、仏教芸術の発展を網羅的に紹介した「Bodhi: Masterpieces of Monumental Buddhist Art」展が9月11日まで開催されています。

Stefan Ruiz, Courtesy of Sotheby’s
さらに、2階のサロンではサザビーズ・ロンドンで起こった”シュレッダー事件”で有名なバンクシーの《Girl with Balloon》も展示されています。これはオークション会場で制作された史上初の作品として知られています。(参考:「赤い風船に手を伸ばす少女」の作品解説。バンクシーの代表作《Girl with Balloon》とは?)

Stefan Ruiz, Courtesy of Sotheby’s
サザビーズはこれまでオークション界を率いる存在として、オークションの新しい在り方を示してきました。1950年代にはイギリスのオークションハウスとして初めてアメリカにオフィスを開設し、現在主流となっている「イブニング・セール」という形態も導入。1960年代には、複数の大陸にまたがった同時入札を可能にするため、衛星通信を利用しました。アジアで初めてオークションを開催したのもサザビーズです。
今後、メゾンではオークションだけでなく展覧会や様々なパフォーマンスが開催される予定です。サザビーズがこの拠点を発信地としてまた新たな歴史を作り、アジアのアート市場をますます盛り上げていくことが期待されます。
サザビーズメゾン
公式オープン日:2024年7月27日(土)
営業時間:月~土|午前11:00~午後7:00
日|午前11:00~午後6:00
住所:LANDMARK CHATER, 8 Connaught Road, Central
公式サイト:https://www.sothebys.com/en/sothebys-asia
AND OWNERS編集部