バンクシー新作発表、渋谷の高架下に巨大壁画出現など【アートニュース】
ANDART編集部がピックアップするアートニュースをお届けします。
今世紀最も注目のアーティスト・バスキア、初期作品がオークションへ。 予想落札価格が約92億円
ジャン=ミシェル・バスキアの初期作品3点がフィリップスオークションに出品され、うち1作品の落札価格は約92億円にも達する見込みだ。
今回、最高予想落札価格がついているのは2.4mの巨大なキャンバスに描かれた《Untitled (ELMAR)》(1982)だ。5月14日に開催されるニューヨークのイブニングセールに登場する。フィリップスは予想落札価格を4000〜6000万ドル(約61億〜92億円)に設定している。

イブニングセールにはさらに《Untitled (Portrait of a Famous Ballplayer)》(1981)が出品予定であり、予想落札額は650万〜850万ドル(約10〜13億円)とされている。
そして、同月31日開催のフィリップス香港で出品される《Native Carrying Some Guns, Bibles, Amorites on Safari》(1982)の予想落札価格は1200〜1800万ドル(約18億4600万〜27億7000万円)である。
バスキアの人気は今後ますます高まるとみられ、「今世紀最も注目されているアーティストだ」とフィリップスの副会長であるロバート・マンリーは明言している。
なお現在、バスキア作品のオークションレコード(落札額のランキング)の1位の作品は2017年に約123億円で落札された《Untitled》(1982)である。落札したのはZOZO創業者の前澤友作氏で、現在も同作品を所有している。
またレコード2位の作品《Untitled》(1982)もかつて前澤氏が所有していたものである。2016年5月に前澤氏が当時約62億円で落札し(これは当時のレコード1位を塗り替えた)、2022年5月のフィリップスオークションで約109億円で売却。約6年の保有期間を経て購入時から約1.6倍の価格がついた。
バンクシーが新作を発表、環境破壊問題への警鐘か。発表を受け事件も発生
イギリスの正体不明ストリートアーティスト、バンクシーが先月18日に新作を発表した。
バンクシーは自身のインスタグラムに新作壁画の画像を投稿。北ロンドンの住宅地にある空きビルの壁には、高圧洗浄機を持った女性の姿がある。そして彼女によって吹き付けられたような緑色のペンキが壁一面に広がっており、まるで壁の前に立つ大きな木に葉が生い茂っているようである。

しかし実際の木は枝が切り落とされ朽ちているようにも見え、これまでも作品を通して環境破壊に対して警告を唱えてきたバンクシーならではの表現であるのかもしれない。
作品の発表から間も無くして、何者かによって作品の一部に白いペンキが塗られてしまう事件が発生した。その後の対応として、ビルの所有者は透明のビニールシートで作品全体を覆い、保護。訪れた人々が壁画を見ることができるように、という配慮のためだという。
事件後も多くの人々が詰めかけているが、現時点で撤去の予定はないという。過去にもバンクシーの作品は、保護するべきか撤去するべきか、たびたび問題となってきた。(参考記事:保護か撤去か?イギリスのバンクシー新作、その後を追う)
今回も、建物や周辺の人々の安全に関する課題について行政とビルの所有者とで議論される見通しだ。
渋谷の高架下に、バリー・マッギーの巨大壁画が出現。アートを通じた防災とは
JR渋谷駅と恵比寿駅の間にある高架下に、バリー・マッギーによる巨大な壁画が登場した。
壁画は2017年に渋谷区が発足した「シブヤ・アロープロジェクト」の一環であり、プロジェクトが今年新たにブランディングされた後の、記念すべき第1弾の作品である。
首都直下地震等の大規模な災害が発生した場合、渋谷区では約23万人の帰宅困難者が発生するとされている。そうした事態に備え、「シブヤ・アロープロジェクト」にはアート作品を通じて一時避難場所の位置や避難経路を知らせ、防災意識を高めていく狙いがある。
この壁画では、バリー・マッギーの作品の特徴ともいえる、カラフルな色使いの複数作品が組み合わさり、ひとつの作品として世界観を形成するという方法が取られている。
バリー・マッギーはアメリカ・サンフランシスコ生まれのアーティストで、これまでサンフランシスコ市内で壁画作品を多く手掛けてきた。サンフランシスコ近代美術館やニューヨーク近代美術館にも作品が収蔵されている。
ストリートで生きる人々が抱える課題に常に意識を向けてきた彼の作品は、今回のプロジェクトのコンセプトとも一致していると言えるだろう。
「シブヤ・アロープロジェクト」のこれまでの作品は旧公式HPから、壁画の情報はリブランディング後の公式HPから確認できる。
シブヤ・アロープロジェクト 新規作品
壁画公開期間:2024年3月7日より
壁画住所:東京都渋谷区東3丁目 庚申道架道橋(庚申橋西交差点脇)
壁画に最寄りの一時退避場所:恵比寿ガーデンプレイス(東京都渋谷区恵比寿4-20)
アーティスト:Barry McGee / Amaze
山口歴の新作、天王洲の寺田倉庫で公開。ビル一面に描かれた大型壁画
世界的に活躍する現代アーティスト、山口歴(やまぐち めぐる)による大型壁画「OUT OF BOUNDS」が公開された。
壁画は天王洲運河沿いの寺田倉庫T33ビルの壁面に登場。高さ約40m、横幅約22mにもわたるこの大型作品は「TENNOZ ART FESTIVAL 2024」の一環として今年1月10日から制作が開始され、2月8日までは制作の様子が一般公開されていた。
「TENNOZ ART FESTIVAL」は2019年から続くプロジェクトで、天王洲運河沿いの建築物や駅通路への大型壁面アート制作や、公開空地への立体アートの設置など、今回の壁画を含めこれまでに22作品が公開されている。
今年は、ニューヨーク・ブルックリンを拠点に世界的に活躍する現代アーティスト・山口歴が参加。今回の壁画は代表作「OUT OF BOUNDS」シリーズの一つだ。構図は葛飾北斎の「龍図」をモチーフとし、縦横無尽なブラシの動きによって飛翔する龍の姿をダイナミックに描き、“既成概念の超越“を表現した。これは、山口の制作活動の根幹を成すテーマでもある。
壁画は今後も継続的に展示されると見られ、4〜5月に寺田倉庫が天王洲エリアで開催予定のイベントと合わせて鑑賞することも可能だ。
TENNOZ ART FESTIVAL 2024 新規作品
アーティスト:山口歴
設置場所:寺田倉庫T33ビル 壁面
制作年:2024年1月
天王洲エリアで開催予定のイベント
WHAT MUSEUM「感覚する構造 – 法隆寺から宇宙まで -」
開催日程:2024年4月26日(金)〜8月25日(日)
URL:https://what.warehouseofart.org/
WHAT CAFE「東京都展 The Echoes of East Kyoto」
開催日程:2024年4月20日(土)〜5月7日(火)
URL:https://cafe.warehouseofart.org/exhibition/what-cafe-exhibition-higashi-kyoto/
※時期が明記されていない為替レートは記事執筆当時(2024年4月15日)のものです。

ANDART編集部
