【後編】落札率90%以上を達成! 2024年最後のSBIアートオークションをレポート
前編に引き続き、「第68回SBIアートオークション|MODERN AND CONTEMPORARY ART」のレポートをお届けします。
SBI初・海外下見会。アート市場成長中の韓国で
今回のオークションでSBIは初めて海外での下見会を韓国・ソウルで開催しました。下見会とは、オークションに出品される一部の作品を事前に鑑賞できる展示会のことです(下見会について詳しくはこちら)。「今回の作品のラインナップはいつもと一味違います」とSBIアートオークション広報が話すように、初の試みとあって、韓国でもあまり出会えないような、作品のコンディションや貴重さの点において目をみはる顔ぶれが揃いました。
ソウルの下見会は東京に先立ち9月30日(月)から10月6日(日)にかけて複合施設の「Art Chosun Space(アート朝鮮スペース)」で開催され、約30点が展示されました。SBIアートオークションにおける韓国内の落札総額は、香港、台湾に次ぐ海外第3位を占め、直近5年間では日本に次ぐ海外最大の落札数と落札総額を記録しています。近年はメガギャラリーが進出したり国際的なアートフェア「Frieze」が開催されたりなど、韓国のアート市場は急成長しています。ソウルでの下見会は盛況を博し、参加者の中には東京でのオークションまで直接足を運んだ方もいたそうです。
現代アートの先駆者、戦後美術のアーティストたちも強い人気
大きなトピックであったソウルでの下見会にあわせて、今回の目玉のひとつだったのが日本・韓国の戦後美術を代表するアーティストたちの作品です。その多くがエスティメートから大きな伸びを見せる結果となり、中でも韓国の河鍾賢(ハ・ジョンヒョン)の2mを超す大作《接合 91-23》(1991)は、2,127万5千円で落札されました。東京の下見会会場で最もサイズが大きく、ひときわ存在感を放っていた作品です。大きさもさることながら、麻布の裏面から油絵具を裏ごしする技法を用いて制作されたという、絵画の細部の緻密さに驚かされます。

(中央:河鍾賢(ハ・ジョンヒョン)《接合 91-23》(1991))
他にも、“もの派”を牽引したアーティストの一人であり、韓国の単色画運動との関わりも深い李禹煥(リ・ウファン)の人気シリーズ《With Winds》(1991)は、3,450万円で落札される結果となりました。

(中央左:李禹煥《With Winds》(1991))
同じく戦後美術を代表する日本人アーティストとして名を連ねた元永定正と中村宏などの作品も顕著な結果を見せ、中村宏の《修学旅行》(1966)は、エスティメートが200〜300万円のところ、なんとその10倍以上となる2,300万円で落札されました。
巨匠アーティストの安定した人気がうかがえた今回のオークション。昨今の為替相場の影響もあり、海外からのオークション参加者も増加傾向にあるといいます。今回の韓国・ソウルでの下見会を皮切りに、今後ますます日本のアートマーケットが世界に開かれていくことを期待したいです。
<次回のSBIアートオークション>
第69回 SBIアートオークション|Modern and Contemporary Art
開催日程:2025年1月25日(土)、26日(日)
下見会 :2025年1月22日(水)、23日(木)、 24日(金)、25日(土)、26日(日)
会場 :ヒルサイドフォーラム(東京都渋谷区猿楽町18-8ヒルサイドテラスF棟1F)
※最新情報は公式HPでご確認ください。

AND OWNERS編集部